もくじ
物流倉庫とは何か?
物流倉庫とは?
「物流倉庫(ぶつりゅう-そうこ)」とは、商品が生産者から消費者の手に渡るまでの過程のうち仕訳や貯蔵・保管・配送などを行なう施設を指します。
かつては、物流倉庫といえば商品の保管や貯蔵だけを目的とした施設(いわゆる倉庫)を意味していましたが、現在ではコンピューターシステムによる効率的な仕分けや商品管理、在庫管理、配送などのサービスも実施されています。
物流倉庫の役割とは?
時代の進展に伴い、これまでの「自社製品は自社で保管・管理し、自社で配送・手配を行なう」というスタイルは変化しつつあります。
自社倉庫を所有していれば固定資産税や施設の維持費・光熱費、従業員の人件費などが必要となり、企業の経費負担はどんどん増加していってしまいます。
さらに、近年では商品を盗難などから守る警備費なども大きな負担となっています。
そこで注目を集めているのが、物品や商品の保管・貯蔵・管理・配送などを請け負う「物流倉庫会社」という存在です。
物流倉庫会社にアウトソーシングすることにより、これまで企業本体が担っていた物品や商品の保管、管理、配送といった時間も費用も掛かる業務分野を効率よく合理化することが可能となるのです。
物流倉庫の種類とは?
物流倉庫には用途に合わせた設備や形式を備えた多岐にわたる種類があります。
主な物流倉庫の種類としては、次のようなものが挙げられます。
普通倉庫
一般的な建屋型の営業倉庫で、日用品から食品、電気機械まで幅広く保管される倉庫です(法律上では1類・2類・3類に分けられています)。
野積倉庫
自動車や木材など屋外に保管しても影響を受けない物品を保管します(法律上では4類に分けられています)。
貯蔵槽倉庫
バラ状または液状貨物を保管する倉庫で、一般的にはタンクやサイロを指します(法律上では6類に分けられています)。
危険品倉庫
消防法で危険物に指定されている物品を補完する倉庫です(法律上では7類に分けられています)。
物流倉庫のサービスとは?
物流倉庫のサービスは倉庫会社によってさまざまですが、ここではその一例を紹介していきます。
- (1) 検品…物品や商品の個数や内容に間違いがないかチェックします。
- (2) 入庫…物品や商品を倉庫内に運び入れて保管を行ないます。
- (3) 保管…物品や商品の適性に合わせた方法を選択して保管します。
- (4) 仕分け…出庫する物品や商品を配送先に合わせて選り分けます。
- (5) 出庫…物品や商品の配送のために倉庫から送り出します。
物流倉庫の役割と使い方
これまでの物流倉庫
物流倉庫は、かつては単に物品や商品を預けたり保管しておくだけの場所でした。
身近なところでは米や塩、野菜、肉・魚類、衣料品、日用品、家電製品といった物品や商品が生産者(製造者)によって物流倉庫に保管され、国内・国外の小売業者を経て消費者のもとに届けられていました。
こうした時代においては、物流倉庫は単に物品や商品を貯蔵・保管しておく場所にしか過ぎず、大量生産・大量保管・大量輸送といったスタイルが主であったことは言うまでもありません。
進化した物流倉庫の役割
高度経済成長期の終焉とともに消費者のニーズも変化し、いわゆる従来の「重厚長大」という考え方から脱却して「軽薄短小(より軽く・薄く・短く・小さく)」という考え方が脚光を浴びるとともに「使う人に合わせた生産・販売を行なう」という機運が高まってきたのです。
このような機運により、物流倉庫のあり方も進化の一途をたどっています。
現在の物流倉庫は「単に物品・商品を保管する施設」という考え方から大きく発展し、物品や商品の入庫時の検品から適性に合わせた管理、出庫時の仕分けから配送までを担う存在になっています。
これまで物流倉庫を利用したことがない、詳しい利用方法やメリットがよく分からないという方もいるかもしれません。
ここでは、日進月歩で進化し続ける現代の物流倉庫の利用方法についてご紹介していきます。
物流倉庫の使い方とは
現代の物流倉庫の使い方として注目されているのが「多品種」・「少量」・「多頻度」・「小口」というキーワードです。
かつての「大量生産」・「大量保管」・「大量配送」の時代から物流は様変わりし、物流倉庫においても消費者のニーズにマッチしたスタイルが推進されています。
- 多品種…消費者(購買層)のニーズに合致する多品種の商品販売
- 少量…個人のニーズに合致する多品種で少量の商品販売
- 多頻度…消費者の発注(注文)に合わせた頻度の高い商品販売
- 小口…少量を多頻度で販売する消費者のニーズにマッチした商品販売
つまり、現在の物流倉庫は少量生産であっても、また小口であっても使い方に制限はなく自由に利用することができるということになります。
たとえば比較的小規模なネットショップを経営中で、商品在庫の保管や管理に頭を悩ましている経営者にとっても物流倉庫は使い方次第で大きな利益をもたらす使い方ができるというわけです。
さらに今後業績がアップしていけば増加し続けるであろう在庫保管や管理もムダなくでき、物流倉庫は経営発展の下支えとして機能していくでしょう。
物流倉庫で業務を合理化
業務合理化とコストダウン
物流倉庫を利用することにより、これまでは手間ヒマの掛かっていた業務を合理化することができます。
商品や製品を入庫して最適な環境で保管し、かつ仕分けやピックアップ、配送を行なうというのは煩雑で熟練が必要とされる作業です。
従来は経営者や社員が行なっていたこれらの業務を、物流倉庫会社に委託して行なうことで業務の合理化が可能となります。
今までアルバイトやパート、派遣社員を雇ってまでこうした作業を行なっていたのであれば、さらなるコストダウンも見込めることになります。
なぜなら、忙しい経営者や担当社員が時間に追われながら在庫管理や配送を行なうというムダが解消される、馴れないアルバイトやパートが時間をかけて効率の悪い作業を行なうといったムダがなくなるからです。
合理化の流れ
物流倉庫利用により、どのように業務の合理化ができるかの流れを見ていきましょう。
一般企業の物流の流れ
入庫→検品→仕分け→保管→(受注)→仕分け→出庫→配送→お客様のもとへ
物流倉庫を利用した流れ
入庫→(物流倉庫へアウトソーシング)→お客様のもとへ
つまり、物流倉庫を利用すれば製品や商品を物流倉庫へ入庫するだけで、受注に応じてお客様のもとへ届けることが可能となるのです。
これにより従来は必要不可欠であった倉庫の維持管理費が省けるだけでなく、倉庫で働く従業員の人件費も大幅にカットすることができます。
さらに、倉庫担当の従業員の入れ替わり(退社・入社)などによる新たな教育やトレーニングなども行なう必要がなくなるため、余分な時間や経費を掛けなくて済むというメリットもあるのです。
当然のことながら、従業員の退職による新規社員やアルバイトを募集する手間や費用もカットすることが可能です。
こんなことも合理化できる
物流倉庫の利用方法は企業や店舗によってさまざまです。
どこまでを物流倉庫会社にアウトソーシングするかは企業や店舗の現状を踏まえて決めることができます。
たとえば物流倉庫会社によっては製品や商品の保管・管理・仕分け・配送といった業務だけでなく次のような業務を行なっているところもあります。
- テレマーケティング…電話を利用した商品販売、カスタマーサービスなど。
- DM発送の代行…ダイレクトメールの作成から発送までを代行する。
- FAXDM代行…FAX(ファクス)を利用しダイレクトメールの代行。
- 決済の代行…お客様の希望に合わせた決済方法での代金決済を代行する。
企業や店舗の経費削減だけでなく、業務拡大や販路拡大、顧客増に合わせて便利に利用できるのが物流倉庫といえるでしょう。
物流倉庫に委託できる業務内容
物流倉庫に何が委託できるか
現代の物流倉庫は製品や商品を保管するだけの施設ではありません。
日々、進化を遂げているといわれる現代の物流倉庫で、実際に委託できる具体的な業務とはどのようなものなのでしょうか?
次に、物流倉庫会社が行なっている具体的な業務内容について詳しくご紹介していきます。
物流倉庫の基本業務
物流倉庫の基本業務は「製品や商品を保管すること」と考えてはいないでしょうか。
確かに、そうした業務はかつての物流倉庫では基本的なものでした。
しかし現在では、物流倉庫では次のような業務を基本的に行なっています。
入庫
企業や店舗から入荷した製品や商品を倉庫内の所定の場所に納めます。
入庫にはコンテナを使用するコンテナ入庫、団ボール箱などで入荷した物品を入庫するパレット入庫などの種類があります。
このとき、必要であれば箱を開梱して中身を仕分けすることもできます。
検品
入荷した製品や商品の種類や数量を伝票と確認する作業です。
依頼があれば品質チェックなども行ないます。
データ作成
入庫した製品や商品のデータ情報を作成します。
依頼内容によっては製品や商品の写真撮影、採寸なども行ない、インターネットのサイト上へのアップロードまでを行なうこともあります。
保管
製品や商品の特質に合わせ、ネステナーやスチール棚、ラックなどを用いた保管がされます。
機械製品やアパレル衣料、食品、冷凍品など専門知識が必要な物品には最適な保管方法が採られています。
仕分け(ピッキング)
出荷準備のために製品や商品の仕分け(ピッキング)を行ないます。
物流倉庫内から指定された物品をピックアップし、所定の方法で出荷の準備をします。
加工
出荷に際して加工が必要な製品や商品もあります。
依頼があれば組立てやラベル貼り、ラッピング、値札付け、箱詰めなども行ないます。
またアパレル衣料などはプレスや補修などを行なうこともあります。
出荷
文字通り製品や商品を発送することですが、出荷指示に従って誤りなく行なうことが重要となる作業です。
出荷後は依頼先の企業や店舗に報告を行ないます。
その他の業務
ここまで物流倉庫会社が行なう基本的な業務について説明してきました。
上記以外にも製品や商品に合わせ、最新の在庫管理システムや自動認識システムなどを用いた各種作業が可能です。
さらにコールセンター業務やカスタマーサービス業務、ギフト(お中元、お歳暮等)関連業務などに対応している物流倉庫もあります。
物流倉庫のメリット
物流倉庫のメリットとは
「物流倉庫を利用するとメリットがたくさんある」とはよく耳にする言葉ですが、具体的にはどのようなメリットを得ることができるのでしょうか?
次に、実際に物流倉庫を利用することによって得られるさまざまなメリットについてご紹介していきます。
コストダウン(経費削減)
物流倉庫の利用による最大のメリットのひとつが「コストダウン(経費削減)」です。
企業が取り扱う物品や商品は、その量の多寡に関わらずいずれかの施設に保管しておかなければなりません。
自社の施設内に保管してあればスペースを取って業務効率がダウンしたり、在庫管理に余分な時間と手間が必要となります。
そこで物流倉庫を利用することによって省スペースや省人件費などを実現させ、空間も時間も人件費もコストダウンさせることが可能となります。
業務の合理化(ムダ削減)
企業にとって商品や製品は大切な販売物であると同時に、保管や管理、輸送コストが必要な物品でもあります。
仕入れた商品や生産した製品はすぐに小売店や消費者の手に渡るわけではなく、発注があるまではいずれかに保管しておかなければならないものです。
かりに支店・支社や工場、倉庫などに保管してあると、発注に応じて仕分けや梱包、配送などを行なわなければなりません。
こうした業務を物流倉庫会社に委託することにより業務を合理化してムダを省き、企業本体の事務効率や作業効率をアップすることが可能となるのです。
顧客サービスの向上
企業が取り扱う商品や製品は顧客(小売店・消費者など)からの発注によって配送を行なわなければなりません。
コンピューター時代の現在、発注は1年365日・24時間にわたって受け付けるという企業が増えていますが、その実情を見てみると人件費や光熱費などが嵩んでしまうという例も少なくないようです。
そこで物流倉庫会社を利用することにより、企業本体の人手や経費を削減するとともに、スピーディーで確実な配送で顧客サービスの向上を図ることが可能となるわけです。
進化する物流倉庫とは
日々進化を遂げている物流倉庫は、過去の時代のような単に物品や商品を保管するだけの施設ではなくなっています。
ビジネス・ロジスティクスの構築により、物流倉庫には「TC(通貨型配送センター)」や「DC(在庫型配送センター)」、「PC(流通加工センター)」といったさまざまな物流倉庫の形態や「WMS(物流倉庫の在庫管理システム)」、「TMS(運送管理システム)」といったスタイルが次々に取り入れられています。
また、バーコード管理やピックアップシステムの開発により、物流倉庫の役割そのものが拡大発展していることも大きな進化の理由のひとつです。
物流倉庫は今や、入庫~保管~出庫だけでなく在庫管理から梱包、仕分け、配送までをすべてアウトソーシングできる心強いビジネスパートナーといえるでしょう。
物流倉庫でコストダウンが実現
コストダウンの構図とは
物流倉庫で経費を削減して、商品や製品に関わるコストダウンが実現できます。
企業にとって重要な要素である経費削減ですが、どのような構図で物流倉庫によるコストダウンが可能となるのでしょうか?
コストダウン(経費削減)の要となるのは、いかにムダをなくし合理的なシステムを構築するかにあります。
今までムダをムダと感じていなかった部分にスポットライトを当て、よりシンプルにより効率的に進化させていくことこそがコストダウンの眼目といえます。
次に、物流倉庫の利用によりコストダウンを実現した企業の例を挙げて経費削減の構図をご紹介していきましょう。
コストダウンの事例
A社は電気製品を製造販売している企業ですが、物流倉庫を利用していなかったため、流通在庫と配送の両面から見直しを行ないコストダウンを成功させました。
従来のやり方
物流倉庫を利用する前のA社における製品の流れは次のようなものでした。
A本社(受注)→工場(生産拠点)→支社(中間在庫)→お客様(販売店・消費者など)
この流れでは本社~工場~支社までのあいだに流通在庫があり、非効率的であるばかりか経費の面でもムダが出ていました。
利用後の流れ
物流倉庫の利用後には、製品は次のような流れに進化しました。
・大口発注
A本社(受注)→工場(生産拠点)→お客様(販売店・消費者など)
・小口発注
A本社(受注)→工場(生産拠点)→物流倉庫(中間拠点)→お客様(販売店・消費者など)
この変革により、工場・支社ともに流通在庫を過剰に抱えることなく、スムースに製品がお客様のもとに届けられるようになりました。
同時に、工場や支社に流通在庫が滞ることがなくなり、スペースのムダや管理人件費のムダを省くことができ、結果的にコストダウンが実現することとなったのです。
さらに発注から納品までの時間短縮も実現し、お客様に対するサービス向上も可能となり一石二鳥の結果を得たことになります。
物流倉庫利用によるコストダウン
物流倉庫を利用することによるコストダウンは、次のようなポイントが挙げられます。
- 流通在庫を減らしてスペースや管理人件費を削減できる。
- 在庫管理や仕分け、梱包、配送のコストを削減できる。
- 受注から発送までをスピードアップして顧客サービスを向上できる。
- 在庫のムダを減らし、製品の回転をアップすることができる。
この事例では物流倉庫は在庫保管だけでなく、在庫管理から仕分け、梱包、発送、配送までの業務を代行してコストダウンの実現に寄与しています。
さらに一歩進んだ物流倉庫の利用法としては、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)という方法も注目されています。
物流倉庫代行サービスを利用するメリットとデメリット
物流倉庫を利用するメリット
ネットショップ運営が軌道に乗りリピーターも増えてきた事で一気に忙しくなるケースがあります。
自社のスタッフが一日中注文対応・梱包・発送などの業務に追われ、新製品の追加など、サイトの更新・改善が行えなくなることがあります。
これでは、業務拡大など次のステップへなかなか進むことができません。
物流倉庫を利用し、一部の業務を外注化するという事は自社スタッフに時間の余裕ができ、ネットショップの運営に注力できるという事が大きな特長と言えます。
また専門の業者に商品管理・梱包・発送などを任せるので、発送に関するトラブルも減りクレームなどの対応に追われるという事も避けられます。
- ネットショップ(サイト)運営に注力することができる
- 商品在庫管理などの業務に時間を取られない
- 専門業者なので、自社の取り扱い商品数追加も容易にできる
- 専門業者システムを使う事で、的確な配送が可能
- 自社で行うよりもコスト管理がしやすい
物流倉庫を利用するデメリット
物流倉庫を利用する事で考えられるデメリットは、外部に委託することでの弊害と自社での管理が出来なる事が考えられます。
この外部に委託するという部分がしっかり管理できるという点と、自社での情報管理がしっかりできるのであればある程度回避できるものだとも考えられます。
- 顧客情報漏えいの危険性
- 物流のノウハウが自社には残らない
- 一定のコストがかかる
- 顧客対応への遅れ
ネットショップの顧客情報が流通倉庫業者にも必要なため、情報の漏えいが心配ですが、しっかりした業者であれば自社で管理するよりも安全な場合もある。
物流ノウハウが自社には残らないという危険性もありますが、専門家にすべてお願いするという点では間違いは少ないと考えられます。
その他に当然ですが、外部に委託するという事はコストがかかります。
自社で行う場合にはあまり見えませんが人件費などはかかっているので、総合的にはコストを抑えることが可能だとも言えます。
最後に顧客対応への遅れですが、自社であればすぐに対応できる問題も委託の場合すぐに出来ない可能性もあります。
物流倉庫を利用する前に
物流倉庫を利用するには?
今後、物流倉庫を利用していこうという個人企業や経営者が増加しています。
これまで大企業を中心に利用されてきた物流倉庫ですが、多品種・少量・多頻度・小口の利用がしやすくなった現在、大量保管・大量配送を行なわない企業でも物流倉庫が利用しようという傾向が促進されているというわけです。
では実際に物流倉庫を利用する前に、知っておくべきことや明確にしておくべきこととはどのような点なのでしょうか?
物流倉庫を利用するには、まず自社に合った倉庫会社選びからスタートします。
ただ預けられればいい、単に保管できさえすればいいというのは過去の時代の物流倉庫の利用法です。
どこの物流倉庫を利用し、どのようなサービスを期待するのか、料金はどのくらいなのかといった点を明確にすることにより、自社に最適な倉庫を見つけることができます。
物流倉庫選びのチェックポイント
物流倉庫を選ぶ際のチェックポイントとしては、次のようなものが挙げられます。
(1) 委託する物品・商品の種類と量を明確にする
物流倉庫といっても、普通倉庫や冷蔵倉庫といったようにさまざまな種類があります。
同じ普通倉庫でもアパレル(衣料品)と家電製品、化粧品、食品では保管方法も違いますから業者選びも違ってくるわけです。
また預ける物品や商品の量によって、利用する物流倉庫の規模も変わってきます。
まずは、どのような物品・商品をどれくらい預けるかを明確にしておきましょう。
(2) 物流倉庫のエリア(所在地)を決める
物流倉庫を利用するうえで重要なポイントのひとつが、倉庫の設置されているエリア(所在地)です。
このエリアを自社の近隣で探すのか、それとも配送先を考慮して探すのか、それ以外の要素で探すのかという点からおおよその範囲を絞っておきましょう。
(3) 物流倉庫に求めるサービスを選ぶ
物流倉庫では物品や商品を預けて保管するだけでなく、多種多様なサービスを受けることができます。
その一例が入庫時の検品や保管期間中の在庫管理、配送時の仕分けです。
なかには、最新の自動認識装置や商品のカスタマイズができる設備などを備えている物流倉庫もありますので、どのようなサービスによる付加価値を求めるかを知っておくことも必要でしょう。
(4) 物流倉庫の利用料金を知る
ビジネスで最も大切なことのひとつが「コスト(経費)」の問題です。
物流倉庫を利用するうえでもどのくらいの利用料金が掛かり、どのくらいの経費が削減できるかのバランスを知っておく必要があります。
倉庫利用料に加えて付帯サービスの利用料を加味し、自社のコスト削減とのバランスをチェックしていくことが重要です。
物流倉庫会社の選び方
どの会社を選べばよいのか?
物流倉庫を利用しようと考えたとき、まず最初に思い浮かぶのが「どの会社を選べばよいのか」という点だと思います。
選び方のポイントとして地域・サービス・費用といった要素がありますが、そうした項目に関係してくるもうひとつの重要なポイントもあるのです。
物流倉庫の業務範囲とは
物流倉庫には、それぞれの会社の倉庫の特徴による「業務範囲」があります。
この業務範囲というのは、前述の物流倉庫会社選びのポイントである「地域・サービス・費用」にも大きく関わってくるものです。
「物流倉庫の業務範囲」をカンタンに説明すると次のようになります。
どんな製品や商品を保管する物流倉庫なのか?
物流倉庫が預かる製品や商品は多岐にわたっています。
身近なところでいえば、家電製品を保管する物流倉庫、アパレル(衣類やアクセサリー)を保管する物流倉庫、スーパーやコンビニなどで販売されている冷凍食品を保管する物流倉庫などです。
当たり前のことですが、スーパーで売られる冷凍食品と女性用のファッション衣類を同じ倉庫に保管することはありません。
なぜなら、保管に適した条件(温度・湿度・管理方法等)がまったく異なっているからです。
物流倉庫のスペース(面積)はどのくらいか?
物流倉庫会社に預ける製品や商品の量は企業や店舗によってマチマチです。
大量の製品や商品を保管できる物流倉庫もあれば、少量の製品や商品を保管する物流倉庫まで各種の形態があります。
また、多品目を少量ずつ保管できるタイプの物流倉庫もあり、目的や用途に応じて選択することができます。
この物流倉庫のスペースに関しては、固定料金ではなく入庫量や出庫量に応じて支払う料金が変わるというシステムを採用している会社もありますので選ぶときのポイントのひとつとして検討してみてはどうでしょうか。
物流倉庫に預ける品物の数はどのくらいか?
企業や店舗によって物流倉庫に保管したい製品や商品の量は違ってくると思います。
また、季節による変動や生産性の条件によっても異なってくるでしょう。
物流倉庫のなかには、商品1個からでも保管できる会社もあります。
ただし、商品数が少ないからといって小規模な物流倉庫を依頼しなければならないということはありません。
なぜなら、大規模の物流倉庫であっても、システマティックに運営されている会社なら商品1個からの保管が可能だからです。
どの物流倉庫会社に製品や商品を預けるかは、なかなか初めての方では判断しにくい部分もあるかもしれません。
ぜひ、ここまでご紹介した内容を参考に良い倉庫選びをなさってみてください。
物流倉庫に関するFAQ
物流倉庫の利用に関するFAQ(よくある質問)をご紹介します。
Q1:物流倉庫に預ける商品の個数に下限はありますか?
A1:
業者にもよりますが、商品1個からでも委託できる物流倉庫もあります。
もし小ロットの商品を委託したい場合は、少量からでも預けられる業者を探すとリーズナブルに利用できます。
Q2:物流倉庫に預けるのに適した商品個数はどのくらいからですか?
A2:
小ロットの商品でも物流倉庫に委託することは可能ですが、利用料を割高にしないためには300個以上(月間)の委託が適しているといわれています。
物流倉庫の利用料金は商品分野やサイズ、保管方法によっても異なりますので、事前に見積りなどを取ったうえで比較検討してみてはいかがでしょうか。
Q3:物流倉庫とは基本的にどんなことをしてくれるのですか?
A3:
基本となるのは製品や商品の保管ですが、現在の物流倉庫はそうした業務以外にも各種のアウトソーシングが可能となっています。
もちろん製品や商品を預けて保管するだけという依頼も可能です。
Q4:物流倉庫に委託できるアウトソーシングとは何ですか?
A4:
基本業務となる商品や製品の保管に加えて次のような業務委託が可能となっています。
- 検品、検針、品質チェック
- 仕分け、ピッキング、セット組み
- 梱包、ラッピング、包装
- 加工、値札付け、ラベル貼り
- 配送、組み立て、設置サービス
- 写真撮影、テキスト作成、アップロード
どのような業務が委託できるかは業者によって異なりますので、事前のリサーチやご相談をおすすめします。
Q5:物流倉庫を利用するメリットとは何ですか?
A5:
利用のメリットとしては次のような点が挙げられます。
- コストダウン(経費削減)、人手不足解消
- 業務の合理化、業務拡大のための効率化
- 顧客サービスの向上、ご配送などの改善
Q6:物流倉庫の利用で可能となる経費削減とはどんなことですか?
A6:
利用によるコストダウン(経費削減)としては次のような点が考えられます。
- 業務の合理化による人件費の削減
- 物流会社経由で配送料金を大幅にコストダウン
- 各種業務のアウトソーシングで経費のムダを削減
Q7:物流倉庫の見積り内容はどのようになっていますか?
A7:
業者にもよりますが、一般的にいうと「保管料」「作業料」の2種類が中心です。
「保管料」は製品や商品のサイズ、保管方法、個数などで決まります。
「作業料」は作業内容や頻度によって決まってきます。
最近では「保管料+作業料」のパック料金を設定している物流倉庫もあります。
『物流倉庫一括.jp』では、日本全国にある「物流倉庫会社」の見積比較が一括で行えるサイトです。
「どこの物流倉庫会社に頼めば良いのか?」
「出来るだけ費用を抑えたい!」
「どんな流れで、どんな業務の代行が出来るのか?」
など、気になるのであれば一度確認してみてください。複数の業者を比較することでその後の検討もしやすくなります。
もちろん一括見積は無料ですので、先ずはお問い合わせください。